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この町の、この土だからこそ、できる農業を。
かく言う私自身もまた、被災者の一人。当時は山を見るたび憎しみにも似た気持ちが湧いたものですが、こうして専業農家として生活を築けている今では、この土壌をもたらした山に対し、感謝の気持ちを抱けるようになりました。そして、せっかくならこの山の恵みを活かしていきたいという思いもあり、作物を育むための文字通り土台である”土”を丹念に作り上げることに、力を注ぐようになりました。豊かな土が実らせてくれた桃や生姜で、広くみなさんに福をお届けすること。それが、ふくはちファームが考える農業の原動力です。
ここは長崎県南島原市深江町。人柄が温かく、年間を通して温暖で農業が盛んな地域です。町のどこからでも望める雲仙普賢岳は、平成2年に起こった噴火災害も記憶に新しい活火山。ひとたび暴れれば甚大な被害をもたらす一方、火山灰質の砂壌土に含まれたミネラルが、作物に恩恵を与えてくれてもいます。
そもそも”普賢”とは、お釈迦様の脇に文殊とともに立つ菩薩。慈悲深く、普(あまね)くところに姿を表しては報いを授ける、聖なる賢者なのだそうです。誰がいつの時代に付けたのか、とても含みのある名前を持った山なのです。
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