その昔、縄文から弥生の時代に、中国から海を超えて日本に伝えられた桃。その実には、病魔や災厄を払い、不老長寿をもたらす力があるとされていたそうです。

かつての福島農園が現在のふくはちファームへと移り変わり、単なる生産農家から集客型農園へと成長を遂げつつあるのは、そんな不思議な力の導きがあったからかもしれません。噴火災害から再起を図ろうというとき、そこに桃との巡り合わせがあったことには、なにか運命のようなものを感じずにはいられないのです。

失敗や挫折の果てに”今”を作ってくれた桃。

ゼロからの挑戦だった桃栽培では、たくさんの苦労や失敗、そして挫折を味わいました。経験がものを言う農業では、栽培したことのない作物を育てる時点で、数えきれないほどの不安材料を抱えるものです。その”知らないこと”自体が最大のリスクであり、一向に安定しない生産量に、収入がままならない時期もありました。そうしたとき、農業の原点である土について見つめ直す機会を得て、より真摯に、生を育むこの仕事に打ち込むようになったのです。

”知らないこと”を知り、原点へ

美しい花が満開の樹々を見ることができるのは、ここが桃園だからこそ。「この喜びを自分たちだけが楽しむだけではもったいない!」と始めた春の花見イベントには、評判が評判を呼び、多くの方々が詰めかけてくださいます。それをきっかけに「実がなったらぜひ味わってみたい」と再度足を運んでいただいたり、お取り寄せのご要望をいただくようになりました。私たちに試練を与えた桃は、今では「次はこんなことをしよう!」という挑戦意欲をもたらしてくれています。

喜びを分かち合い、次の一歩へ

春には花見、そして夏にはたわわな実りで、私たちはもちろん多くのお客様を楽しませてくれる桃。しかし桃という植物は、寒すぎても暖かすぎてもいけないほど、温度に敏感です。また、着果から収穫までの数度にわたる摘果には、根気強さが求められます。そのうえ病害虫にも弱いため、数ある果樹のなかでも桃の育成は、とりわけ難しい部類に入ります。しかしそのぶん、期待通りあるいはそれ以上の成果を得たときには、その苦難が感動や喜びに変わります。

桃と付き合う難しさ、そして喜び

豊かな果肉に、みずみずしさと甘さがたっぷり。それが、私たちの桃です。

5月中旬から6月上旬にかけて収穫される品種で、桃のなかでも最も早く出回ります。やや小ぶりで赤みの強い果皮の下には、爽やかに香る、薄いピンク色の果肉。歯ざわりやわらかな食感で、おだやかな酸味とあっさりとした甘みのバランスの良さが楽しめます。

ちよひめ

日川白鳳

ちよひめよりやや大きめで、5月下旬から6月中旬に収穫されます。やわらかな色合い、爽やかな香りとあふれんばかりの果汁、そしてふくよかな甘みが印象的。乳白色の果肉を口いっぱいに頬張った瞬間に「桃といえばこれ!」と感じる方も多いことでしょう。

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